揺るがないもの

週末、2年前に広島へ引っ越した、Sくん(元同僚)がこちらに帰ってくるというので、元職場の仲間内で集まることになった。私も、ちょうど復職するし同僚たちに会えるのが楽しみに、少し遅れての参加。店に行くと、大人の男女が9人、6人掛けのテーブルにひしめき合って座っていた。いつもの顔。このメンバーで仕事をしていたころは、本当に楽しくて、仕事をしていること自体が楽しくて、仕方なかった。毎月のように飲み会をして、面白おかしく仕事をしていた。

私は遅れて参加したので、ほぼ全員が出来上がった状態だった。みんなの、酔っぱらった顔が懐かしい。何もかもすべてが2年前にタイムスリップしたように、空いた時間の溝などないように、自然と違和感なく時間が流れている。みんなそれなりに年を取った。30代前半の子、65歳を過ぎている人、年齢も様々ではあるが、話ができる。

誰かが言った「このメンバーが一番いい」と。それは、ここにいる全員が思っている。そして、このメンバーで出来上がった絆が固いこと。面白おかしくだけじゃなく、お互いを認め合って、たまに衝突したりしながら仕事ができるチームは作ろうと思って作れるものじゃない。この2年、他で働いたからわかる。今は、みんなバラバラになってしまったけれど、それでもこうして日々の愚痴や、仕事の話、いろんな話ができるのはこのメンバーだからだ。「うめおかさんも帰ってくるんだし、また集まろうよ」といったのは、一番最年少のUくんだった。そしてこの日、一番酔っぱらっていた。


Sくんが「僕は年に1回くらいしか帰ってこれないけど、その時はまた来てね」と言った。慣れない土地で苦労してるんだろうなというのが、私より年下の彼の髪に白髪が増えているのでよくわかった。私たちの前では、明るく笑っていつものSくんだが、きっと抱えているストレスは想像以上だろうと思う。懐かしくなって、私たちに会いたいために帰ってきた、Sくん。また、帰っておいで。みんな待ってるから。翌日、Sくんから「今日、広島帰る」とLINEが入った。「頑張りなよ。また会おう」本当にみんな待ってるからね。